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合歓(ねむ)の木

今年も暑い夏が巡ってきた。
農園までの田舎道の車窓の景色は
めまぐるしく移り変わる。

冬木立から新緑へ・・・やがて待ち焦がれた桜の季節。
山のてっぺんの山桜。そして藤、つつじ。

合歓(ねむ)の木_c0060919_15553417.jpg
今は、山間の木々の中で「合歓の花」が真っ盛り。
しばし見とれしまうのが、いつもの慣わしとなった。

戦時中、学童疎開の時のこと、毎日の登下校は集団で
ひと山越えて村の学校に通う日々であった。

ある日、山の中で大きな木に、まるで羽のようにフワッと青空に
溶けてゆきそうな幻想的な花が・・・これは何の花?
大木なのにひそやかに咲いている花に心を奪われ
しばし我を忘れ・・・

これが始めての合歓の木との出会いであった。
この季節、この木を目にする度に
あの懐かしい子どもの頃に思いをはせる。

ああ、友よ!
ひとあし先に縁故疎開に変わった私をお寺の境内の
丘の上からいつまでも、いつまでも手を振って
見送ってくれた友だち。

迎えに来てくれた父と妹と「さようならー」と
なんども、なんども振り返り、

手を振り続けたあの日が甦り
胸を熱くする。

この季節、あの日の光景が合歓の花と共に懐かしく
思い浮かぶ。

*写真は6月19日に撮影。農園のお花畑です。合歓の花は残念ながら写してません。
by ba-basan | 2005-07-04 15:52 | 思い出
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