このところ毎日肌寒く風も強く
例年より春の訪れは遅いようだ。
昨日、四月一日の午後、娘と二人で
ひろしま美術館に行く。
この美術館は久し振りだ。
テーマは”田園賛歌”。
まさに我が家にぴったりだ。
かの有名なミレーの”落穂ひろい”をはじめ
”モネ””シスレー”その他絵の巨匠と言われる大家の
大作が盛りだくさん、それぞれに素晴らしく
時の経つのも忘れてお終いは、駆け足状態だった。
古今東西、世の中はめまぐるしく変わってきたが
田園風景は二百年ぐらい前とは大差ないようだ。
田園の積みワラの光景は日本の秋、新幹線から
眺めたものとソックリであったし、
畑を耕す農夫、(今じゃ耕運機が主役だが)
麦を刈る農婦(私も同じ格好で一昨年麦刈りをしたワ
絵の女性はスタイルが良くたくましい。そこが私と全然違う)
農民、羊飼いの人々は貧しい身なりではあったが
いずれものどかで平和な、そして、どこか懐かしい
風景にいつまでも見ていたい絵画ばかりであった。
陽が傾き始め、急ぎ美術館を後にした。
美術館の前の庭にパリから越してきたマロニエの木。
あら!枝に小さな蕾が見える。
(ここに来たのはたしか、昭和五十三年と書いてあったような・・)
木々の間からこぼれる夕日は、いつもより美しく感動的であった。